中年以降の女性に多い子宮脱ってなに?

子宮脱や直腸瘤、膀胱瘤、尿道脱

これらの骨盤臓器脱をみなさんはご存知でしょうか。

決して珍しくはない、中年以降に多い女性特有の骨盤臓器脱。

妊娠や出産、肥満や加齢、腹圧の高まることが多い方に発症しやすいと言われている病気です。

今回は女性を悩ませる骨盤臓器脱についてご紹介したいと思います!

 

 

骨盤臓器脱とは?

骨盤臓器脱の種類

通常、骨盤底筋群という筋肉が、重力や腹圧によって臓器が下に落ちてしまわないように支えてくれています。

この筋肉がさまざまな原因で緩んでしまうことにより、支えられなくなった臓器が膣から落ちてきてしまうのが骨盤臓器脱です。

骨盤臓器脱は子宮脱、膣脱、膀胱瘤、直腸瘤、尿道脱、小腸脱などに分かれます。

有名なのは子宮脱ですが、頻度が高いのは膀胱瘤と尿道脱です。

 

骨盤臓器脱の症状

症状は出てくる臓器によって変わってきますが、無症状の場合もあります。

また脱出の度合いによって膣の間に何かが挟まっているような感覚や不快感が出ます。

臓器別に症状の例を挙げると、膀胱瘤や尿道脱では頻尿や尿漏れ、

直腸瘤では便意があるのに排便ができなかったり、

子宮脱では自分の手で子宮に触れられたり、脱出した子宮が太ももに触れることも。

 

骨盤臓器脱は重力や腹圧によって症状が増悪します。

そのため、夕方から夜にかけて症状が出てきたり、横になると楽になるのも特徴的です。

また咳やくしゃみなどで腹圧が高まることによっても症状が出てくることがあります。

 

 

原因は?

先ほど少し説明した通り、骨盤臓器脱は骨盤底筋群が緩んでしまうことによって起こると言われています。

では、一体どんなことで骨盤底筋群は緩んでしまうのでしょうか?

 

妊娠・出産

妊娠中は子宮脱になることも珍しくありません。

妊娠をするということは子宮の中に赤ちゃんがいるということ。

つまり重さが増えますよね。

それによって骨盤底筋群が臓器を支え切れなくなり妊娠中に子宮脱になってしまうことがあるのです。

 

また、出産時に経膣出産(膣を通して出産する場合)をされた方は、骨盤底筋群が緩みやすくなってしまいます。

産後の尿漏れなどはこれによるものです。

経膣出産で膣内に赤ちゃんが滞在する時間が長ければ長いほど骨盤底筋群にかかる負担は大きくなってしまいます。

このタイプの方は骨盤臓器脱の確立も上がります。

 

 

喘息など咳の多い方

咳が多い。

つまりそれは腹圧の高まる機会が多いということです。

腹圧が高まれば臓器を骨盤底筋群が支えなくてはいけなくなります。

くしゃみもそうですが咳はかなり腹筋を使います。

風邪をこじらせて咳が続くと腹筋が筋肉痛に・・・

なんて経験ある方も多いのではないでしょうか。

 

腹圧の高まる機会が多いと考えると、重いものを持たなくてはいけない仕事をされている方肥満の方も骨盤臓器脱になりやすいと言えるでしょう。

 

 

加齢

齢をとると尿漏れが起きやすくなるのはご存知だと思います。

つまり年齢を重ねれば重ねるほど骨盤底筋群は弱くなってしまうということ。

それに加え出産回数が多ければ多いほど骨盤子宮脱の可能性は高くなってしまいます。

 

 

対策法

骨盤底筋群が弱いがために起こってしまう骨盤臓器脱。

そうならないためにも日頃から骨盤底筋群をしっかりと鍛えるようにしましょう。

トレーニング1

①仰向けで寝ます。

②足を肩幅に開き膝を曲げます。

③そこから息を吐きながら5秒かけてゆっくりとお尻をも持ち上げていきましょう。

このとき少し内ももに力を入れながら肛門にキュッと力を入れて行えるととても良いです。

 

*腰に痛みが出る方は無理はせず出来る範囲で行うようにしてください。

 

 

トレーニング2

①仰向けに寝ます。

②軽く膝を曲げて両手をおへその下に当てます。

③そのままゆっくりと肛門、尿道、膣をしめていきます。

 

④緩める時もゆっくりと緩めるようにしましょう。

 

 

最初は感覚がつかみにくかったり、力が思うように入らなかったりするかとは思いますが回数を重ねるごとにできるようになってきます。

イメージとしては、おしっこを我慢するときのあの感覚です!

トレーニング2に関しては、仰向けでできるようになったら座った状態や、

立った状態での応用編にもぜひチャレンジしてみてください!

 

 

骨盤底筋群を鍛えると、いいことづくし!

骨盤底筋群を鍛えると骨盤臓器脱を防げるだけでなく、

内臓の働きを活発化させたり便秘の解消に繋がったります。

そして、ウエストを引き締めてくれるといううれしい効果も。

また、生理痛が緩和したなんて声もあるほど、全身に効果があるんです。

 

 

最後に

いかがでしたでしょうか。

子宮脱などの骨盤臓器脱は症状が出なかったり、デリケートな部分の問題であったりするため病院への受診が遅れてしまうケースが多くあります。

しかしどんな疾患に関しても言えることは早期に発見できればできるほど

治療の幅は広がり、手術以外の選択肢が出てくることも。

骨盤臓器脱は決して珍しい疾患ではありません。

状態が悪くなればなるほど生活面での影響が出てきてしまいます。

ご紹介したセルフケアで予防しつつ、少しでも陰部に不快感や違和感、その他気になる症状があったら医師に相談するようにしましょう!