特に思い当たる節もなく突然肩が痛くなってきた・・・
それ、もしかすると五十肩かもしれません。
五十肩や四十肩はある一定の流れを追って治っていきます。
そんな五十肩や四十肩と上手く付き合っていくには、いったいどうしたらいいのでしょうか。
五十肩・四十肩とは。
五十肩や四十肩は正式名を肩関節周囲炎といい、40歳~60歳に好発します。
そしてはっきりとした原因はまだわかっていませんが、老化により肩関節の周りの組織に炎症が起こる物といわれています。
効き腕に関係なく発症しますが、両肩同時に発症することはほとんどありません。
五十肩や四十肩はある一定の経過を追うとされています。
炎症期(6週~9ヶ月)
まず始めにくるのが炎症期。
炎症期は名前の通り肩関節が炎症を起こし、簡単に言うと何をしていても痛みがあるといった疼痛主体の時期です。
そして少しずつ腕に動きに制限がかかってくるころです。
この時期は痛みが特に強いため、痛くて夜も眠れない夜間痛が出ることもあります。
拘縮期(4ヶ月~6ヶ月)
次に起こるのが拘縮期といって炎症期に比べ痛みが軽減する物の腕が思うよう動かせなくなります。
特に制限されるのが内旋と外旋運動です。
日常生活で例えると、髪を結ぶ・とかす、服の着脱、下着のホックをとめる、お尻のポケットに物を出し入れする、といった動作に制限がかかってくることが多いです。
回復期(6ヶ月~2年)
最後に来るのが回復期です。
この時期に入ると段々と痛み・動きの制限ともに段々と軽減していきます。
このように五十肩・四十肩は基本的に半年から2年程かけて治るものとされています。
しかし稀に動かしにくさや、可動域いっぱいに動かすと痛みが出るといった後遺症が残る方もいらっしゃいます。
そうならないためにも、きちんと治療をしていくことをオススメします。
五十肩・四十肩と間違えやすい肩の疾患
上腕二頭筋長頭腱炎
上腕二頭筋長頭腱炎は上腕二頭筋の使い過ぎ(オーバーユース)により起こります。
上腕二頭筋とは腕に力こぶを作る筋肉で、ひじを曲げる・手のひらを外に反す・腕を前から上げるときに働きます。
上腕二頭筋長頭腱炎の場合、肩関節の前側に痛みが出ます。
石灰沈着性腱板炎
石灰沈着性腱板炎も五十肩・四十肩同様に40~50代の女性に好発します。
肩板(けんばん)と言われる肩関節の安定性を計る場所の中に石灰が沈着し炎症が起こり激痛が出て、肩が動かなくなります。
石灰沈着性腱板炎は五十肩の炎症期と良く症状が似ていて、かなりの激痛が出るとされています。
五十肩と違って、レントゲンを撮ると肩関節に石灰の沈着が確認できます。
腱板断裂
40歳以上の男性に好発し、これも使いすぎにより起こります。
腕を外から上げようとしたとき60°〜120°の角度で痛みが出ます。
五十肩と違うのは関節の動きの制限が出にくいというところです。
また、腱板断裂には完全断裂と不完全断裂の2つがあり、野球をやってる若い方は不完全断裂がよく見られます。
肩峰下滑液泡炎
肩峰下滑液泡炎もまた使いすぎにより発症します。
滑液泡とは骨や靭帯、筋肉、腱などが擦れて炎症が起きないようクッションの役割をしてくれている小さな袋のことです。
しかし負担がかかり過ぎると滑液泡自体が炎症を起こしてしまい痛みとして出てくるのが肩峰下滑液泡炎です。
このように肩の疾患は数多く存在します。
きちんと自分の痛みは何からきている物なのかを明確にして適切な治療を行うようにして下さい。
対策法
五十肩になりやすい方の特徴の一つとして前肩が挙げられます。
今回はこの前肩に対するストレッチをご紹介したいと思います。
*痛みの強い炎症期の場合は安静を計るようにして下さい。
*動きに制限のある場合は無理のない範囲で行って下さい。
大胸筋のストレッチ
肩が前に入る方は、鎖骨のすぐ下にある大胸筋が硬くなってしまっていることが多くあります。
まずはこの大胸筋を緩めて肩が正しい位置にくるようにしましょう。
①まず壁を横に立ち、腕から肘を壁に当てます。
②肘から手は壁に付いたまま身体を外に捻ります。
③腕の高さを変えて一番伸びる場所を探して下さい。
肩甲骨と背骨の動きを改善
肩関節は肩甲骨と上腕骨(うでの骨)で作られます。
肩甲骨の動きと背骨の動きを良くして負担を軽減させましょう。
①四つん這いになります。
②肩甲骨を引き寄せながら身体を反らしていきます。
③肩甲骨を外に引き離すように身体を丸めていきます。
最後に
いかがでしたか。
ご説明した通り五十肩は炎症期・拘縮期・回復期の3つに分かれます。
この時期によって治療の仕方も変わってきます。
その肩の痛みは本当に五十肩なのか、五十肩であってもどの時期なのかをきちんと見極め適切な処置をするようにして下さい!
ご紹介したストレッチは五十肩の予防としてもとても有効です。
まだ痛みの出ていない方もぜひ行ってみて下さい!
日々のセルフケアを行って痛みのない生活を目指しましょう。