肩の左右差が出やすいスポーツ。原因と影響、対策法は?

なたは、自分の肩の高さの違いを意識したことはありますか?

当院に来る患者様の中にも後ろから見た時に肩の高さが左右で違う方がよくいらっしゃいます。

中には自覚している方もいらっしゃいますが、ほとんどがそのことに気づいていません。

では一体なぜ、肩の高さは変わってしまうのでしょうか。

今回は、肩の高さとスポーツの関連性、また原因と対策法もお伝えしたいと思います!

 

肩の高さが変わりやすいスポーツ

・野球

・バドミントン

・テニス

・ラクロス

・卓球

・バスケットボール

バレーボール

・走り高跳び

 

今あげたのはほんの一部です。

これらには、どのような共通点があるか考えてみてください。

 

 

なぜ肩の高さは変わってしまうのか

 

①片腕の使いすぎによるもの

先ほどあげたスポーツの共通点の1つです。

どれも片方どちらかの腕を上にあげる動作が多くある競技ばかりですよね。

野球を例にあげると、右投手の場合はもちろん右腕を酷使することになります

すると、右の大胸筋が短縮し、

背骨から肩甲骨につく右の菱形筋が引き伸ばされ、

肩甲骨は外に入り肩が前に入ってしまいます。

 

その状態を後ろから見ると右の肩が下に下がっているのです。

テニスやバドミントンなどラケットなどを持つ競技も片方の手ばかり使いますよね。

同様の理由で右利きの選手なら右肩が下がっていることが多いと思います。

 

 

また、右を使いすぎるということは、右を使いやすくするため少し脊椎(背骨)を左回旋させて身体の右側を前に出すことが多くなります。

野球の投球動作で例えると、ボールの投げ始めから手を放すまでの加速期と、ボールが手から離れるリリース、ボールが手から離れて投球動作が終わるフォロースルーは、右投手なら脊椎を左回旋させながら行う動作です。

 

 

 

 

この動作を繰り返し行うことで無意識に取る普段の姿勢も少し左回旋して捻じれるような状態になってしまいます。

この脊椎の捻じれによっても右肩が下がってしまうことがあるのです。

また、走り高跳びも左踏切の場合、踏切り時は右腕を高く振り上げ脊椎を左回旋させながらクリアランス(空中姿勢)に入るため、同じように右肩が下がってしまうことが多くあります。

 

 

②骨盤の歪み

スポーツをしていると、右足重心・左足重心といったどちらかの足に体重をかけることが多くあると思います。

例えば、野球のピッチングは右投手の場合、まずは右足に体重を乗せて立ち、左足を踏み込むときの遠心力も利用しながらボールを投げます。

このときどちらの足にも体重を乗せるタイミングはありますが、右足から左足への体重移動は骨盤の右側を前に出しながら、身体全体を左に捻じりながら行うわれます。

すると先ほどの肩と同様に身体は繰り返し行われる動作によって歪みが生じてくるのです。

 

この場合骨盤は右側の方が前に傾いてきてしまいます。

すると身体全体も右に傾き、結果、右肩がさがってしまうのです。

 

 

肩の高さの違いによる影響は?

結論からお伝えすると、ケガをする確率がぐんと上がります。

左右のバランスが悪いということは、そこを補うためにどこかに負担がかかりやすくなってしまってしまっているということ。

 

使いすぎによって肩の高さが変わってしまっている方は、肩関節・肘関節・手関節(手首)への負担が大きくなってしまいますし、背中を痛めてしまったりもします。

野球や、水球、ハンドボールなどのボールを投げる競技や、バドミントンやテニスなどのラケットを使う競技をしていて肩や肘を痛める方が多くいますが、その原因の1つとしても大きく関わってきます。

 

骨盤の歪みによって肩の高さが変わってしまっている方は、股関節・膝関節・足関節(足首)への負担が大きくなり痛みを生じてしまうことがあります。

また、骨盤の歪みがあると腰痛を引き起こす要因にもなるのです。

 

 

対策法

使い過ぎにより大胸筋が短縮し、左右の肩の高さが違う方は大胸筋を緩めるようにしましょう。

 

①まず、壁の横に立ちます。

 

②手から肘を壁に当てます。

 

③身体全体をゆっくりと外に開いていきましょう。

 

※手から肘の当たる高さを変えて、一番伸びると感じたところで行うようにしてください。

 

 

私がよくやる簡単な大胸筋のほぐし方もご紹介します。

左の大胸筋をほぐす場合

①右手の親指を右の鎖骨の下に当てゆっくりと指圧していきます。

5秒程押したら少しずつ外にずらし、また指圧します。

※硬いところや、押していて少し痛いと感じたところは少し長めに押してあげましょう。

※グリグリする必要はないので、イタ気持ちいいくらいの刺激を与えるようにしてください。

 

骨盤の歪みについてや、対策法を知りたい方はこちらを参考にしてください。

あなたの骨盤は大丈夫?案外知られていない骨盤の歪み方と対策法

 

 

最後に

いかがでしたか?

良い記録を出すため、結果を残すためにスポーツをしている方もいれば、健康のためにスポーツをしている方など、皆さんさまざまな目的を持ちながらスポーツをされていると思います。

ただ、共通して言えることは、ケガをしないに越したことはないということ。

身体のどこかを痛めて良いことはありませんよね。

身体の左右のバランスはとても大切です。

ストイックにただひたすら身体を動かすのではなく、その前後のケアも大切にしていただきたいと思います。

ケガのしにくい身体を作って、全力でスポーツを楽しんでください!