近ごろ、たくさんの骨盤矯正グッズが販売されていますよね。
「そういったグッズで本当に骨盤は矯正されるんだろうか・・・」
そんな疑問を感じている方も多いのではないでしょうか?
さまざまな形の骨盤矯正グッズがありますが、その中でも「骨盤矯正ショーツ」はいろんなメーカーから出ています。
履くだけで良いという商品が多いので、忙しい産後のママたちに人気のようです。
今回は「猫背矯正マイスター」の資格を持つ私が、実際に巷に出回る骨盤矯正ショーツを履いてみた感想をお伝えしたいと思います!
骨盤の歪み
その前に、みなさんは骨盤がどのように歪むのかをきちんと理解していますか?
「産後は骨盤がひらく」
骨盤の歪みというと、このイメージが強いのではないでしょうか。
では産後、骨盤はどのように開いてしまうのか、また出産以外だとどのように歪んでしまうのでしょうか。
骨盤のひらき
ご存知の通り骨盤は産後に開きやすくなります。
出産の時には、骨盤を固めている靭帯がホルモンの作用により緩むことで赤ちゃんを外に出しやすくします。
この緩んだ靭帯は出産後6ヵ月で元に戻ると言われています。
つまり、産後に気にしなくてはならないのは「骨盤がひらいてしまった」ということよりも、出産のために緩んだ靭帯が元に戻るときに「骨盤を歪みのない正しい状態にしておく」ということなのです。
骨盤の傾き
骨盤の傾きには、前に傾く前傾と、後ろに傾く後傾の2つがあります。
まず、骨盤を横から見た時の正しい位置とはこのように高さが床とほぼ平行になっている状態を指します。
患者さんからお話を聞いていると、腰を反ってお尻を後ろに突き出すようにした状態を正しい位置と勘違いされてる方が多くいらっしゃるので注意してくださいね。
前傾とは、このように前に傾いてしまっている状態。
つまり、先ほどの勘違いはこの前傾タイプを指すことになります。
骨盤の前傾が強ければ強いほど腰の反りも強くなり、腰回りの筋肉がガチガチに硬くなってしまいます。
また、前傾すると股関節が内旋してつま先が内に入る、いわゆる「内また」になる例が多くあります。
骨盤が前傾し内股になるとお尻の筋肉をうまく使えなくなるため、お尻が大きくなってしまうのです。
産後に多いのもこの前傾タイプです。
妊娠中はお腹が大きくなるため、その重さに耐えられず骨盤が前傾して腰を反るような姿勢を取ってしまいがちに。
それが数ヶ月と続けば、出産が終わりお腹がへっこんでも骨盤の位置は前傾の状態で定着してしまいそうですよね。
後傾とは、このように後ろに傾いてしまっている状態です。
後傾の場合は、前傾とは反対に腰椎の前弯(腰にあるべき反り)が無くなってしまいます。
身体に加わる衝撃を吸収するためにある前弯が失われてしまうと、衝撃が直接腰にかかることになってしまうために、腰痛が誘発されたりしてしまうのです。
後傾はお尻の筋力低下などでも引き起こされるため、高齢の方に見受けられることが多くあります。
また、人によってはこの傾き具合が左右で変わってくる方がいらっしゃいます。
左右の違いにを見るには、骨盤を前から見た時の上前腸骨棘(じょうぜんちょうこつきょく)という骨のでっぱっているところの高さを見ます。
この写真の場合、左の上前腸骨棘の方が下にあるので、左の骨盤の方が前傾が強いということになります。
左右で変わるということは、同じ腰でも左右で負担のかかり方が変わってきてしまいます。
上記の説明では腰痛を主に例として説明しましたが、骨盤が歪んでしまうとそれ以下の関節である股関節、膝関節、足関節や、足の指の関節にまで余計な負担をかけることとなってしまいます。
そのため、個人差はあれど出産後に急な膝の痛みや足首などの痛みを訴える人がいるのですね。
骨盤矯正ショーツ履いてみた
さて今回私が実際に履いてみたのは4つの骨盤矯正を謳っているショーツです。
①ex reve~エクスレーブ~
骨盤をコルセットのように締め付けてくれるため安定感はあったようにも感じますが、骨盤の前傾や後傾に対しての矯正がされている感覚はあまりありませんでした。
ただ、あまりに強く締め付けられているので、とてもきつい印象。これを一日中履くとなるとリンパや血管に対しても締め付けが強すぎるのではないかな?と感じました。
コルセットと似たような効果は期待出来そうだったので腰痛をお持ちで一時的に骨盤の安定性を求めるのであればいいかもしれません。
②Clausius
こちらは、お腹まですっぽりと入る形のものなので、温かさと安心感のようなものはありました。
しかし、こちらもまた、骨盤の前傾や後傾などの歪みが矯正されているという感じはありませんでした。
③ATSUGI
こちらは履いてみて驚きました。
少し前傾タイプである私の骨盤が余計に反ってしまったのです。
「腰を反ってお尻を後ろに突き出すのが良い姿勢」と間違った認識から生まれてしまった商品なのでしょうか。
ヒップアップを骨盤の前傾と勘違いしている商品は、このような作りが多いようです。
しかし、産後のママにも多い、前傾タイプの方が履き続けた場合、腰痛を悪化させる可能性があります。
骨盤の歪みといっても前傾ではなく後傾タイプの方が履くといいかもしれませんね。
④整体ショーツ
こちらの商品は、履いた瞬間にスッと骨盤が立つ感じがしました。
でも、きつく締め付けられているという感じではなく、骨盤が正しい位置にくるように優しく支えられている状態です。
これなら、普通のショーツと同じように24時間履いていられそうです。
私のような前傾タイプの方や、締め付けられるのがあまり好きではない方、そして産後のママには特にオススメです。
骨盤矯正ショーツは締める方向がポイント
私が最後に履いた「整体ショーツ」は、宮前まちの整骨院の小林篤史代表が数多くの骨盤矯正の施術を元に独自設計した商品です。
一般的な骨盤矯正ショーツは、腰を反らせヒップアップ的な要素が強くありますが、これではお尻や膣が開いてしまい、お尻の筋肉や骨盤底筋が上手く使えなくなってしまいます。
そのため産後の方の悩みに多くある、お尻が大きく見えてしまったり、尿もれや子宮脱を起こしやすくなってしまうのです。
実際に腰を思い切り反らせた状態でお尻の穴に力を入れるのとと、骨盤をしっかりと立たせてからお尻の穴に力を入れるのとでは、力の入り方が全然違うことがお分かりいただけるかと思います。
本来の骨盤矯正の締める方向は、「お腹を引き上げお尻の穴を引き上げる」という、右の写真の方向なのです。
この方向に締めることを自然に実現しているのが、この「整体ショーツ」です。
最後に
いかがでしたか?
骨盤の歪みに対して間違った認識をされていた方もいたのではないでしょうか。
モデルさんがよくポージングでお尻をプリッと突き出していますが、あれもあくまでポージングで身体にとっては負担のかかる姿勢です。
モデルさんだって常にあれで生活しているわけではありませんよね。
今回、紹介したのは当院が実際に患者様におススメしている整体ショーツですが、他にもきちんと骨盤を正してくれる商品も存在すると思います。
このような商品は決して安いものではありません。
ぜひ骨盤の歪みの無い状態というものをしっかりと理解した上でご自身の身体に合った商品を選んでください。
整体ショーツに関しては
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