スポーツや、久しぶりに運動をした際などに起こる肉離れ。
一度肉離れを起こしてしまうと、程度にもよりますが治るのに少し時間がかかります。
今回はそんな肉離れの予防法、対処法をご紹介します。
肉離れとは
肉離れは正式名称を筋断裂(きんだんれつ)と言います。
肉離れとは、急激に筋肉が伸縮することで筋肉に一部が断裂した状態です。
肉離れの原因
肉離れの原因は大きく分けて二つあります。
一つ目は急激に動いたとき。
スタートダッシュやジャンプなど瞬発的な動きをした際に、筋肉が収縮しているのに対し関節がその筋肉の作用とは反対に動くことで起こってしまいます。
二つ目は筋肉が十分に温まっていなかったとき。
冬や寒い時期に、筋肉の疲労が溜まって硬くなってしまっているときに、ウォーミングアップを怠ったりすると肉離れはとても起きやすくなります。
筋肉が固まってしまっていると伸び縮みがしにくくなります。
きちんと体を温め、筋肉が柔らかい状態であればなんてことない動きでも、寒くて筋肉が固まっていると、普段行なっているような些細な動きですら、肉離れを引き起こすことがあります。
RICE処置
肉離れの応急処置として用いられるのがRICE処置と呼ばれる方法です。
RICE処置とは捻挫や打撲、肉離れなど様々なケガに適応でき、早く行えば行うほど良いとされています。
R:rest 「安静」
まず痛みがある場所は動かさず、まず安静にするようにしましょう。
どこかを痛めると、患部の状態がどうなのか、どれくらい動くのか確認したくなると思います。
しかし、ここで無理に動かしてしまうと場合によっては痛みが増したり悪化する事もあるので注意して下さい。
I:ice 「冷却」
痛めた場所を冷やすことで痛みを和らげることができます。
また、冷やすと血管が収縮し内出血や炎症を抑えることもできます。
患部を冷やす際は保冷材などでは無く、氷を使うようにして下さい。
氷のうやビニール袋に氷を入れて患部に当てるのですが、このときできるだけ氷のうやビニール袋の空気を抜いておくとより冷えやすくなります。
冷やしていると15∼20分くらいで感覚が無くなってくるので一旦離し、また感覚が戻り痛みが出てきたら冷やしてください。
これを24∼48時間ほど続けてください。
C:compression 「圧迫」
圧迫をすることで患部の出血や腫れを抑えることができます。
肉離れなどで内出血が起こると、治ったときにその部分に硬結(炎症やうっ血、充血などで硬くなること)が残ってしまう場合があります。
硬結が残ると、肉離れも再発しやすくなってしまいます。
捻挫などで起こる腫れは、腫れが酷くなればなるほど治りが遅くなってしまいます。
そのためできるだけ早く圧迫を行うことで復帰を早くできるうえに、癖になりにくい状態を作れるのです。
圧迫を行うときに注意して頂きたいのが、圧迫のし過ぎです。
強く圧迫をしすぎてしまうと、その先の血流が悪くなったり、神経まで圧迫してしまうことがあります。
そのため圧迫をした際は、手や足の爪先の色や、圧迫した場所より末端が青くなっていないか確認し圧迫しすぎないようにしましょう。
最近のスポーツ現場では圧迫をしてから冷却をすることが多いようです。
E:elevation 「挙上」
痛めた場所を心臓より高い位置に持ち上げると、腫れを抑えたり早くに腫れをひかせることができます。
また、内出血を防ぎ、痛みを緩和することができます。
クッションやタオルなどで高さを上げて、楽に挙上していられる状態を作りましょう。
肉離れの予防
肉離れの起きやすい筋肉
肉離れはどの筋肉にでも起こる可能性はありますが、下肢の筋肉に多発します。
その中でも多いのは裏もものハムストリングスや、ふくらはぎの腓腹筋(ひふくきん)です。
肉離れはMRIで診た際に、
・軽度(出血初見のみ)
・中度(筋腱移行部損傷)
・重度(筋腱付着部)
に分かれます。
競技復帰は軽症でも2週間ほどかかると言われています。
肉離れにならないために大切なのは疲労を溜めすぎないこと、ウォーミングアップをしっかりすることです。
今回は多発しやすいハムストリングスと腓腹筋のストレッチをご紹介します。
ハムストリングスのストレッチ
1.長座の姿勢をとります。
2.片足を曲げて外に倒します。
*このとき、骨盤が後ろに倒れないように座骨を地面につけるよう意識してください。
難しい方は伸ばしている方の膝を少し曲げてもかまいません。
3.曲げている方の手で足先を触るように伸ばしていきます。
腓腹筋(ふくらはぎ)のストレッチ
1.足を前後に開きます。
*この時つま先の向きは前を向くようにしてください。
2.前にある足に体重を乗せながらゆっくり膝を曲げていきます。
最後に
いかがでしたか。
寒い季節は肉離れだけでなく様々な怪我をしやすい時期です。
アスリートはもちろん、一般の週1や月に何回かで運動をする方も徹底してウォーミングアップを行うようにしてください。
また筋肉が硬くならないようにするためにも運動後のクールダウンも必ず行ってくださいね。
きちんと怪我を予防して、運動を楽しみましょう。