「腰痛を治すために腹筋を鍛える」気を付けたいポイントは?

腰が痛くて病院に行ったものの、特にレントゲンなどでの異状はなく、

「腹筋を鍛えましょう」

そう言われたことはありませんか。

 

しかし、当院にいらっしゃる患者様の中には腰が痛くて腹筋運動ができないという方が少なくありません。

腰痛を治すために腹筋運動が必要なのに、その動作をすると腰が痛い・・・

そんな連鎖を解消する方法をご紹介いたします。

 

 

腰痛と腹筋の関係性

そもそもなぜ腹筋がないと腰が痛くなってしまうのでしょうか。

 

それは反り腰の方のほとんどが、腹筋をきちんと使えていないからです。

 

腰が反るということは、腰の筋肉がググッと縮こまってしまっている状態になっています。

すると、腰の筋肉とは反対にある腹筋はどうなると思いますか。

 

腰の筋肉の反対の動きをするため、腹筋は引き伸ばされるかたちになります。

 

 

腰が反っていなければ、ただ立っているだけでも腹筋は使われます。

しかし、腰が反っていると腹筋は使われにくくなり、筋力としても落ちやすくなります。

 

腹筋がうまく使えないと衝撃や負担に耐えられなくなるため、より腰痛が重症化しやすくなります。

「腹筋をつけましょう」と言われるのは、普段の生活でかかる負担に身体が耐えられるようにするためなのですね。

 

 

アウターマッスルとインナーマッスル

筋肉は、アウターマッスルとインナーマッスルの2つに分類されます。

みなさんも耳にしたことがあるのではないでしょうか。

 

ところで、アウターマッスルとインナーマッスルにはどんな違いがあるのか知っていますか。

 

表層にあるアウターマッスルは、簡単に言うと関節を動かすための筋肉です。

目の前にあるものを取る動きや、ボールを蹴るなどの動作も関節が動くことによって行われますよね。

このような動きをしてくれているのがアウターマッスルです。

 

サッカーボールを持つ

 

反対に、深層にあるインナーマッスルは姿勢を保つための筋肉です。

ただ立っているときは、自分がどこに力を入れて立っているか分かりにくいかと思います。

しかし、立った姿勢を保てているのは筋肉が働いているからですよね。

それがインナーマッスルです。

 

待ち合わせ

 

では腰痛のときに言われる「腹筋をつけましょう」とは、アウターマッスルとインナーマッスルのどちらを指しているのでしょうか。

 

 

腰痛のときに鍛えるべきは・・・

それはインナーマッスルです。

先ほどもありましたが、インナーマッスルは姿勢を保つために働く筋肉です。

 

 

そのため、立ちっぱなしの時や、デスクワーク、料理など、あまり大きく動かない作業をしているときに多く働くインナーマッスルを鍛えることで姿勢は崩れにくくなります。

 

その結果、腰にかかる負担も軽減するため、腰痛が起きにくくなるのです。

 

 

インナーマッスルを鍛えるには

実は、インナーマッスルを鍛えるのは少しコツがいります。

 

みなさんは「腹筋を鍛える」と聞くと、どんなトレーニングをイメージしますか。

一般的に多いのは、仰向きの状態から膝を立て、上半身を起こしていくようなものかと思います。

 

腹筋

 

しかし、それで鍛えられるのは、インナーマッスルというよりはアウターマッスルです。

インナーマッスルを鍛えるときに多いのは、少し辛い体制をキープするというはっきり言って地味なものが多いです。

 

それに、ただ少し辛い体制を取るだけでなく意識すべきポイントをしっかり押さえないと、効果は半減してしまいます。

今回はお家で簡単にできる、初心者向けのインナーマッスルトレーニングをご紹介します。

 

 

インナーマッスルトレーニング

当院にいらっしゃる患者様にもよくお伝えするトレーニングです。

腰痛で悩まれている方にはもちろん、産後のママさんの中には骨盤矯正をしながら同時進行で行っていくと、グンと痩せる方もたくさんいらっしゃるんですよ。

 

ヒップリフト

①仰向けで横になります。

ヒップリフト

②お尻を持ち上げ、首から膝までが一直線にしてください。

 

*お尻が上がりすぎても、下がりすぎても良くないです。

 

③その状態のまま、お尻に力を入れ(お尻の穴を締めるイメージです)、お腹をへこまします。

 30秒キープ

 

*もし、この際に腰が痛くなる場合は中断してください。

*大切なのは③の状態をキープすることです。

 もし30秒が難しければ10秒20秒からのスタートにするなど、ご自身に合ったペースで始めてください。

 形が崩れたり、ポイントを意識できていない状態を30秒キープするより、10秒でも正しくできていた方が効果的なので段々と長くできるようにチャレンジしてください。

 

 

それでも腰が痛くてトレーニングできない場合・・・

ご紹介したトレーニングで腰が痛くなる場合、横になったままできるEMSという機械もあります。

EMSとはパットを皮膚に貼り、電気を流すことで筋肉を刺激し鍛えていくものです。

 

ご自分で鍛えることが難しい場合、こういった機械を上手く活用するのも1つの手ですね。

注意点としては、機械によりインナーマッスルに届かない周波数の物もあるのできちんと確認するようにしましょう。

 

 

まとめ

  • 腰痛のときに言われる、「腹筋を鍛える」とはインナーマッスルを指す。
  • アウターマッスルは関節を動かす筋肉。
  • インナーマッスルは姿勢を保つ筋肉。
  • インナーマッスルを鍛えるには”ヒップリフト”がおススメ。
  • 形とポイントを理解し、行うことが大切。
  • 腰が痛くてできない場合はEMSもおススメ。