産後は骨盤が歪む
その腰痛は骨盤の歪みのせい
骨盤が歪んでるから足の長さが変わる
〈骨盤の歪み〉
よく聞いたり言われたりする言葉ではあると思いますが、
骨盤の歪みとはいったいどのようになっていて
身体にどのような影響を及ぼしているのか・・・
今回はみなさんに骨盤についての理解を深めていただけたらと思います!
骨盤の歪み
初めに、みなさんは骨盤の構造をご存知ですか?
左が前から見た骨盤、右が後ろから見た骨盤です。
骨盤は、いわゆる腰骨(こしぼね)といわれている腸骨(ちょうこつ)、座った時に座面に当たる坐骨(ざこつ)、骨盤の前下方にある恥骨(ちこつ)の3つから作られています。
背骨を下にたどっていくと土台のようにある仙骨(せんこつ)も骨盤と大きく関わっています。
構造を知って頂いたところで、さっそく歪みについてご紹介します。
前後の傾き
骨盤の傾きを表す言葉で、前傾と後傾の2つがあります。
前傾(ぜんけい)は前に傾いていることを指し、後傾(こうけい)は後ろに傾いていることを指します。
このような傾きは、骨盤につく筋肉の硬さが大きく関係します。
正常の場合、きちんと骨盤が立っている状態を指します。
前傾の場合、太ももの前にあり骨盤の前からから膝の下につく大腿四頭筋と、背骨のすぐ隣にあり骨盤から頭の骨につく脊柱起立筋が硬くなることがよくあります。
後傾の場合、骨盤の後ろから膝の側面につくハムストリングスや、肋骨から恥骨につく腹直筋が硬くなったりします。
このように股関節周りの柔軟性で骨盤の傾きが変わってきます。
左右の捻じれ
先ほど書いた傾きの話を思い出してほしいのですが、左右の捻じれとは、右と左で骨盤の傾き方が違うという事。
右のほうが前傾していたり、左の方が後傾していたりすることがあるため、捻じれとして左右差が出ることがあります。
これもまた、股関節周りの筋肉の柔軟性が大きく関与します。
この柔軟性が右と左で変わってくることで、骨盤の傾き方も変わってくるのです。
骨盤の歪む原因
骨盤が歪む原因は実は日常生活のクセにあります。
ではどういったクセが骨盤を歪ませてしまっているのでしょうか・・・
体重のかけやすい足の偏り
例えば電車に乗って立っている時や、待ち合わせで誰かを待っている時など、ふと意識せずに立つと体重のかけている足に偏りがある方がいます。
体重のかける足に左右で差があるとこの股関節にかかる負担も左右で変わってきます。
股関節は骨盤と太ももの大腿骨で構成されるため、股関節に負担がかかるという事は、骨盤にも負担がかかってくるのです。
足を組むことも同じような考え方で説明することができます。
足を組む時は座っているため股関節というより座骨に直接負担がかかります。
組みやすい足が決まっていればいるほど、骨盤にかかる負担に左右差が出てくるのは言うまでもありませんね。
競技特性
理由としては上記で説明したことと同じ考え方になります。
スポーツをやっていると競技ならではの動作により骨盤への負担が大きく変わってきます。
そのスポーツを行うにあたっての利き足だったり、フォームも原因の1つになります。
例をあげると、サッカーの軸足、テニスやバドミントンの利き手に伴うフットワーク、右打ち・左打ちバッターのそれぞれの回旋動作、陸上の跳躍における踏切り足、投擲のフォームに至ってもかなり左右で負担のかかりかたが変わってきます。
また、200m以上のランナーもコーナーを走るため左右差が出てきたりします。
今あげたのはほんの一部です。
その他にも様々な競技によるいろいろな動きで骨盤は歪んでしまうことがあるのです。
荷物の持ち手
イメージしやすいのは肩掛けカバンやビジネスバッグでしょうか。
あなたは何かを持つ際、片方の肩や手に偏って持ってしまっていませんか?
片方に重さが集中すると反対側のお尻の筋肉などが収縮することで身体を真っ直ぐに保とうとします。
お尻の筋肉は骨盤にくっつくものが多くあります。
実はこのようなこともこ骨盤の歪みにつながることがあるのです。
妊娠中の姿勢
妊娠中はお腹が大きくなるため、その重さによって、骨盤が前傾してしまうことが多くあります。
骨盤が前傾すると、上半身は前に傾きます。
それでは生活しずらいため腰を余計に反らせることで、身体を真っ直ぐにしようとします。
必要以上に反った腰に負担がかかりやすくなるのは想像できますよね。
妊娠中や出産後の恥骨の痛みや尾骨の痛み、尿漏れやお尻の大きさなど、その他様々な症状も骨盤の歪みから来ていることがあります。
骨盤が歪むとどうなる?
骨盤は先程からお話している通り、姿勢の土台となります。
骨盤が傾く事によりバランスを取ろうと猫背になる事もあります。
症状としては、腰痛、肩こり、首こり、ストレートネック、眼精疲労、頭痛、膝の痛み、
転びやすさに繋がったりします。
また、意外と関連しているのが便秘や下痢です。
骨盤が歪み、背骨の周りの筋肉が硬くなると背骨から出てくる
神経の働きの邪魔をします。
また背中が丸まることにより内臓を圧迫し腸の働きを悪くしてしまうこともあるのです。
骨盤の歪みは自律神経にも影響を及ぼすことがあります。
首と密接な関係にある自律神経。
首の筋肉が硬くなると、頚部にある自律神経節(自律神経の塊)の働きを
邪魔してしまいイライラしたりボーっとしたり疲れやすくなる事があります。
対策法
まずは骨盤と深く関係のある股関節の柔軟性を上げることから始めて頂けたらと思います。
中には「身体は柔らかい方だ」という方もいらっしゃると思いますが、案外多いのが左右で硬さの違い。
体が柔らかくても左右差があったり、開脚は出来るけど前屈は硬いなど部位による柔軟性の違いがあると、これも骨盤の歪みにつながります。
①開脚
つま先は天井を向くように脚を開き、腰が丸まらないように前に倒しましょう。
②前屈
開脚と同じくつま先は天井に、腰が丸まらないよう気をつけて下さい。
③お尻のストレッチ
左足を右足のももの上に乗せ、自分の身体に近づけます。
左足のお尻が伸びていれば正解です!
④前もものストレッチ
何かにつかまりながら立ち、左足を左手で持ちます。
左足が外に開かないよう注意しながら少し膝を後ろに引きましょう。
最後に
いかがでしたでしょうか。
骨盤が歪むという事は、骨盤周りの筋肉を上手く使えていないということ。
骨盤が歪みやすい産後では、尿漏れやお尻・お腹が大きく見えるようになってしまったりすることにも、実は深く関係しているのです。
まずは股関節周りの柔軟性を上げて骨盤のバランスを整えていきましょう。
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