6年間使うランドセル。
種類もたくさんありますし、どれがいいか迷いますよね。
最近では、小学校入学を控えた子供のランドセルを選び、購入することを「ラン活」といい、人気のランドセルは夏前には売り切れてしまうほど激化しているようです。
少子化なのになぜ?と思ってしまいますが、少子化だからこそ、両親・両家の祖父母など一人の子供に対し多くのお金をかける家庭が多くなっていることが、ラン活激化の要因にもなっているそうですね。
以前、私のブログでもリュックサックの背負い方で姿勢が悪くなることを紹介しました。
実はランドセルも同じように姿勢を変えてしまう大きな要因になります。
しかも、子供は大人以上に影響を受けやすいのです。
今回は、買う前に知っておきたい!ランドセルの選び方・背負い方を姿勢の専門家目線でご紹介していきます。
ランドセルの選び方ポイント2つ
1.素材
身体のことを考えた場合に素材選びで重要になってくるのは重さです。
数百グラムの違いでもそれなりの時間背負っていると身体には負担になります。
そのうえ、子どもの身体となると負担は大人より大きくなるのは明確ですよね。
しかし、重さ以外にもその素材ならではの特徴もあるので、参考にして下さい。
クラリーノ
クラリーノは人工皮革で、約1200gと最も軽い素材です。
そのうえ防水性に長けていて、人工皮革のため手入れがしやすいといった特徴があります。
牛革
牛革は約1400gと、クラリーノより少し重いです。
革なので水に弱いですが、耐水加工を施されているものがほとんどなので問題ありません。
また、耐久性があり、とても頑丈です。
コードバン
コードバンとは馬のお尻の革で、1500gと素材の中では最も重いです。
しかし、耐久性にもっとも長けているのはメリットと言えるでしょう。
現在は「脱ゆとり教育」と言われ、教科書のページ数や副教材も増えて、小学生のランドセルの中身が重くなってきています。そのため、肩こりや腰痛を訴える小学生も増えています。
耐久性などそれぞれの素材のメリットと合わせ、お子さんの通う小学校の荷物の量や通学距離なども考慮して、素材の「重さ」という点も選ぶポイントにすることをおすすめします。
2.肩ベルト
実はこの見逃しやすい肩ベルトは、背負いやすさにとても影響を与えます。
肩ベルト次第で、荷物の重さも変わってきます。
背中との隙間
大切なのは、背負ったときにランドセルと背中に隙間ができていないかどうかです。
隙間のできてしまうものはランドセルが後ろに引っ張られるような状態になるので、重さを感じやすくなります。
また、背負っただけだと隙間ができなくても、荷物を入れるとその重さで隙間ができてしまう場合があるので注意してください。
そのため、きちんと背中のカーブに沿ってぴったりとくっついているランドセルを選ぶようにしましょう。
しかしこの問題は、肩ベルトの長さを調節することで改善される場合もあります。
お店で試す際も、お子さんの身体に合わせて肩ベルトの長さを合わせて合うかどうかを見てみてください。
肩ベルトの長さの調整については後ほどお伝えします。
クッション性
実はよくあるのが、「荷物を入れたら肩が痛い!」という子供の訴えです。
ここで大切なのは肩ベルトのクッション性です。
肩ベルトが肩に触れる面が硬いと、お店で背負ったときはなんともなくても、実際に教材を入れてみたら食い込んで痛くなってしまうことが起きます。
こちらも見逃しがちな大切なポイントです。
長さ
ランドセルは基本的に小学校入学前の年長さんの時に買うことが多いですよね。
そのため、買うときはまだ体が小さいので肩ベルトの長さが気になることはないと思います。
しかし、6年生まで使うとなるとどうでしょうか。
個人差はあれど、身長は伸びますよね。
実際に6年生になったときに長さが足りなくなってしまったという話もよく聞くので、余裕のあるものを選んでください。
また、定期的にお子さんのランドセルの肩ベルトの長さをチェックして調整してください。その時には、前にお伝えした通り、「背中との隙間がない状態」を保ってくださいね。
授業中の姿勢で気を付けたいこと
小学校生活が始まると、それまではあまりなかった座って勉強をする時間が大幅に増えますよね。
学校の先生でも「姿勢を良くしましょう」と声掛けしてくれる先生はいても、具体的にどうすればいいか教えてくれる先生は少ないと思います。
そのため、家で簡単に教えられる、授業中の姿勢で気を付けたい2つのポイントをご紹介します。
椅子の座りかた
まずは、椅子の座り方です。
大人でもデスクワークなどで座り時間が長いと姿勢は崩れやすくなってしまいますよね。
同じように子どもも長時間椅子に座っていると姿勢は崩れがちですが、小さいときからその癖がついてしまうと、大きくなってから治すのは時間がかかります。
そのため、まずは座り姿勢を意識させましょう。
大切なのは2つ。
・深く腰掛ける
・しっかりと椅子を机に近づける
一時的に姿勢を正すのであれば、浅く腰掛けて背すじを伸ばすよう心掛けたほうが見た目は綺麗です。
しかし、勉強などの長時間となると常に背すじを伸ばすよう心掛けるのは難しいでしょう。
そのため、深く腰掛けて背もたれをきちんと使うことで、腰や背中が丸まるスペースを無くしてしまったほうが、姿勢は悪くなりにくいのです。
書くときの姿勢
勉強をする上で必ずと言っていいほどするのは、書くことです。
そのときに、紙を斜めにしたり、必要以上に紙に近づいて書く方をよく見ます。
これはほとんどが子どもの時についたクセが抜けきらずにいるからです。
ものを書くときは、姿勢を正した状態のまま書かせるよう注意を促してください。
紙もまっすぐ置いて書くように癖づければ、大人になってから斜めになることはほとんどありません。
書くときの姿勢は、一度癖づいてしまうと座り姿勢よりも治すのが大変です。
反対に、一度正しい姿勢で書くことを癖づけられれば、その先、成長してからも悪い姿勢で書くようになることは少なくなるはずです。
最後に
いかがでしたか。
最大6年間背負うことになるランドセル。
金額やお子さんの気に入ったデザインなどで選びがちですが、それだけではもったいない!
子どもだからこそ使うものによって身体は作られていきます。
ぜひお子さんに合ったものを選び、少しでも身体に良い状態を作ってあげてください。
小さな頃から身近な大人が「姿勢教育」をしていくことは、お子さんが一生「正しい姿勢」でいられることにつながります。私が姿勢の専門家として、ぜひお願いしたいことです。