「出産をしたら骨盤矯正ほうがいいの?」
宮前まちの整骨院にいらっしゃる患者様から、よくこんな質問をされます。
答えは「はい」です。
これは、自然分娩でも帝王切開でも同じように言えます。
なぜなら、お腹が大きくなる妊娠期はみなさんに訪れているからです。
皆さんご存知かと思いますが、赤ちゃんがいるのは子宮という臓器です。
子宮は骨盤内臓器に含まれ、大きくなるだけでも骨盤に対して大きな負担がかかっています。
今回はそんな産後の骨盤矯正について詳しくご紹介していきます。
産後の骨盤矯正を始める期間は?
私たちが実際におすすめしている産後の骨盤矯正を始める期間は、産後2ヶ月~4か月くらいです。
その理由は大きく3つあります。
傷の回復期間が必要
まず、出産には大きく2つの種類があります。
それは、膣を介して出産する経腟(けいちつ)分娩と、手術でお腹を切開して赤ちゃんを取り出す帝王切開です。
もちろん帝王切開はお腹を切るので、傷があるため術後に傷の回復を待たなくてはなりません。
一方、経腟分娩でも、会陰切開を行う場合もあります。
このように帝王切開や会陰切開などで傷ができた場合は、産後の骨盤矯正を行うのはその傷が回復してからにしなくてはなりません。
お母さんの体力を回復させる
出産は赤ちゃんにとってもお母さんにとっても、とても大きな一大イベントです。
そのため、産後2ヶ月くらいは周りにたくさん甘えてとにかく休んでください。
東洋医学的にも、出産は気の塊である胎児を生むうえに、人間のエネルギーである気(き)や血(けつ)もたくさん使われます。
授乳に必要な母乳も、血(けつ)から作られるため、出産や育児は身体にはかなりの負担がかかるとされています。
出産後はまずは身体を安静にし、お母さんの体力の回復を図るようにしてください。
産後半年たつと骨盤は治しにくくなる
出産のためにゆるんだ骨盤周りの靭帯は、半年かけてゆっくりと締まってきます。
産後の骨盤矯正は、骨盤がゆがんだ状態で靭帯が締まっていくことを防ぐために行うべきなのです。
骨盤がゆがんだ状態で固まってしまうと様々な影響がでてきます。
イメージしやすいのは腰痛です。
腰の筋肉の多くは骨盤にくっついているため、骨盤がゆがんでしまうと腰に負担がかかりやすくなります。
その他にもぽっこりお腹や、お尻が大きくなるなどの体型の変化に繋がることもあります。
骨盤がゆがんだ影響で、姿勢が悪くなり肩こりや頭痛、めまい・耳鳴りなどにひどく悩まされてしまう方も少なくありません。
産後の骨盤はどうなる?
産後に多いのは、骨盤が前にかたむく前傾(ぜんけい)の状態です。
その理由は大きく2つあります。
妊娠中のおなかのふくらみ
1つ目は妊娠中の体型です。
妊娠中の約10ヶ月のあいだ、お母さんのおなかには赤ちゃんがいます。
つまり自分の身体の前側に、今までなかった重さがかかりますよね。
するともちろん骨盤は前に傾いてしまいます。
10ヶ月かけて傾いた骨盤は、赤ちゃんを産んだあともすぐに戻るとは考えにくいですよね。
赤ちゃんの抱っこ
そして実は、赤ちゃんの抱っこも骨盤がゆがむ原因になります。
抱っこは妊娠しているときと同じように、自分の身体の前側に重さがかかることになります。
すると妊娠のときに段々と前にかたむいていった骨盤は、出産後も前にかたむきやすい環境におかれてしまうことになるのです。
加えて、抱っこをする際にどちらかの腕でばかり赤ちゃんを支えていると、どちらか一方の足に体重がかかりやすくなり、骨盤にねじれが生まれる場合があります。
授乳の際に足を組むクセがある方も、ねじれが生まれやすいので注意が必要です。
なぜ骨盤矯正をしたほうがいい?
ではそもそもなぜ産後は骨盤矯正をした方がいいのでしょうか。
骨盤がゆがむと身体にとって、たくさんの不調に繋がる要因になってしまうことがあります。
例をあげると、
- 身体の中心にある骨盤がゆがむので姿勢が悪くなる
- 足の長さが変わる
- ストレートネックの原因になる
- 頭痛、首肩コリの原因になる
- 腰痛や足の痺れが出ることもある
- 自律神経が乱れる原因になる
- 便秘の原因になる
- 生理痛の症状を引き起こすこともある
などなど、他にも書ききれないほどのたくさんの不調の要因になりかねます。
もちろん骨盤がゆがむことで、必ずしもこれらの症状が出るとは限りませんが、十分に注意が必要です。
意外と多いのが、産後すぐではなく、出産から何年もたってから症状が出るパターンです。
産後は育児に追われ「気付いたら時間が経っていた……」なんて方も多いです。
しかし、将来の自分の身体のこともきちんと考え、しっかりと骨盤を正しい位置へと矯正してあげてくださいね。