宮前まちの整骨院にいらっしゃる患者様に多い外反母趾。
他の症状でいらっしゃった方でも、話を伺ってみると、
「実は、外反母趾の痛みもあるんです……」
と、ご相談いただくことも多々あります。
また、痛みがなくても、実は外反母趾になっている方が多くいらっしゃいます。
今回は、そんな外反母趾の根本的な原因と、その改善方法をご紹介します。
外反母趾の原因は重心が前にかかることにある
外反母趾の原因は、重心が前にかかることです。
足の裏には、地面からの衝撃を吸収するための「アーチ」と呼ばれる構造が3つあります。
1つ目は内側縦アーチ(ないそくたてあーち)。
これはよく「土踏まず」と言われる部分を指します。
2つ目は外側縦アーチ(がいそくたてあーち)。
これは足の裏の、小指側にあるアーチで土踏まずに比べると小さくわかりにくい箇所です。
3つ目に横アーチ。
足の指のつけ根のところにあるのが横アーチです。
この横アーチが最も大きく外反母趾に関係します。
本来、身体の重心はかかとにかかるのが正常です。
しかし、その重心が足の前方、つまり、つま先にかかると先述の横アーチをつぶしてしまいます。
横アーチは足の指の付け根のあたりにあるため、このアーチがつぶれると足の指への負担が大きくなります。
その結果、外反母趾になってしまうのです。
では、日常生活のどんな時にアーチをつぶしてしまうのか、ご紹介します。
外反母趾になりやすい場面
外反母趾の原因は、「重心がつま先に乗り、横アーチがつぶれてしまうこと」にあると先にお伝えしました。
では、どのような場面で重心がつま先のほうに乗ってしまうのでしょうか。
外反母趾になりやすい場面1:ヒールの高い靴を履く
外反母趾になる理由で、よく耳にするのがヒールの高さです。
これは靴の中に入れる、インヒールも当てはまります。
ヒールの高い靴を履くと、自然とつま先立ちをしている状態になります。
そのため、ヒールが高ければ高いほど、さらに履く時間が長ければ長いほど、足の裏にある横アーチに負担がかかります。
その分、外反母趾になりやすくなってしまうのです。
外反母趾になりやすい場面2:普段の姿勢がつま先重心である
つま先のほうに重心がのるのが、外反母趾の大きな原因のひとつです。
ここで、普段の姿勢がつま先重心であったら、どうなると思いますか?
ヒールの高い靴をあまり履かない方でも、普段の姿勢でつま先に重心がかかっていれば、外反母趾になり痛みがでる可能性があります。
そのため、最近はスポーツをしている小中学生でも外反母趾に悩む子が増えているのです。
普段の姿勢を正すために重要なのが、骨盤です。
「骨盤がゆがむ」という表現を耳にしたことがあると思います。
骨盤のゆがみ方には、前にかたむく前傾(ぜんけい)と、後ろにかたむく後傾(こうけい)、さらに左右のねじれがあります。
このゆがみ方の中の、前傾がつま先重心になりやすい状態です。
骨盤が前傾する方は、腰の反りが強く、反り腰である場合が少なくありません。
仰向けで横になったときに、床と腰との間に手が入る方は腰が反っていて骨盤が前傾している可能性があります。
骨盤が前傾だとつま先に重心がかかりやすく、さらには外反母趾になる可能性もありますので、注意が必要です。
外反母趾を防ぐために、自宅でできるセルフケア
外反母趾を防ぐセルフケア1:骨間筋(こっかんきん)を緩める
それぞれの足の指から足の甲に向けて下に触っていくと、5本の骨の感触があると思います。
その5本の骨の間にあるのが骨間筋です。
横アーチがつぶれると、この骨間筋が固まっているケースが多くあります。
ですので、外反母趾を防ぐために、骨間筋を緩めていきましょう。
強さは痛気持ち良いくらいで、10回くらい押してください。
外反母趾を防ぐセルフケア2:骨盤のゆがみを整える
骨盤の前傾は、つま先重心になる大きな原因になってしまいます。
まずは自然に立ったときに、かかとに体重がかけられるようにしていきましょう。
①お尻にある仙骨(せんこつ)の下にくるよう枕を入れます。
②そのまま仰向けで寝ます。1分キープ
外反母趾を防ぐセルフケア3:歩き方の改善
外反母趾の痛みに悩んでいる方は、歩き方に問題がある可能性があります。
歩くとき、まずかかとが地面に着きますよね。
そのあと、体重はつま先に移動して地面から離れます。
この、体重がつま先に移動したときに、つま先のどこに体重がかかっているかがポイントです。
外反母趾の多くの方は、親指のほうに体重がかかり地面から足が離れます。
意識していただきたいのは、中指と薬指の間くらいです。
親指に寄ることもなく、小指に寄ることもなく、重心が真ん中に乗るよう歩くようにしてみてください。
これだけでも痛みが取れるという方は多くいらっしゃいますよ。
最後に
- 外反母趾の原因は体重がつま先のほうにかかってしまうこと。
- 足の裏にある3種類のアーチが崩れると負担がダイレクトにかかる。
- ヒールは体重がつま先にかかりやすく外反母趾になりやすい。
- 骨盤が前傾している場合にもつま先重心になりやすい。
- 自宅でのセルフケアをきちんと行うことで痛みが落ち着くことも!