・あごが痛い
・口が開きにくい
・口を開いたり閉じたりするとカクカクと音がする
当てはまる項目があったあなたは、もしかしたら顎関節症かもしれません。
顎関節症とは「あごが痛い」「口が開きにくい」「口の開閉で音が鳴る」の3つを主な症状としてもつ慢性的な疾患を総称したものです。
その病態は咀嚼筋、関節円板、関節包、靭帯、変形性関節症などさまざまです。
日本人の2人に1人が経験したことがあるとのデータもある顎関節症。
顎関節症は歯のかみ合わせが悪かったり、無意識に歯を食いしばってしまう噛みしめ、歯ぎしり、頬杖、スポーツや事故で大きな外力が顎関節にかかってしまったりと顎関節に直接的に負担がかかることが原因となる他に、ストレス、猫背などの姿勢不良などによっても引き起こされます。
今回は意外と関係性の深い顎関節と姿勢についてご紹介します!
顎関節症と猫背
あなたは「自分の姿勢は正しいです!」と自信を持って言えますか?
当院に来院される患者様をみていて、そもそも正しい姿勢がどのような姿勢なのか分かってない方がほとんどだと思います。
分かりやすい例を上げると最近はスマホやパソコンを長時間使う方もたくさんいらっしゃいますよね。
もしかして、座ってスマホやパソコンを操作しているときに骨盤が後ろに倒れ、背中が丸まり、顔が前に出るような姿勢になっていませんか?
背中が丸まっている方は肩が前に入ってしまっています。
すると首や肩、背中の筋肉は引き伸ばされ負担がかかりやすい状態となります。
また、顔が前に出ると首と頭の付け根の部分がガチガチに固まり頭痛を引き起こしたり、顎関節にも影響を及ぼします。
試しにあえて顔を前に出して口を開けてみてください。
いつもより開きにくくありませんか?
この姿勢では身体の構造上、顎関節の可動域が狭くなってしまいます。
この状態が長く続けば、それだけ顎関節にかかる負担も大きくなり顎関節症へと発展してしまう原因に。
頬杖やうつ伏せで寝る方も要注意。
顎関節は何かを食べるときに噛んだり、踏ん張るときなどにグッと歯を食いしばったりするときに使われる関節であり、長時間圧力を受けるための関節ではありません。
しかし、頬杖やうつ伏せは頭の重さが顎関節にかかるような姿勢ですよね。
それに頬杖もうつ伏せも右か左かどちらかの顎関節にばかり負担がかかっていることが多いのです。
頬杖であれば利き手は作業をしやすくするため逆の手で頬杖をつきませんか?
うつ伏せで寝るときは、顔の向きが真っ直ぐだと息ができないため左右どちらかを向いて寝るかと思います。
そのどちらかの方向も向きやすい方がある場合が多く、結果として下になっている顎関節に頭の重さがかかってしまいます。
このように私たちが何気なくとっている姿勢が実は顎関節症を引き起こす原因となってしまっているのです。
姿勢の悪さが顎関節症を引き起こし、顎関節症が姿勢をより悪くさせてしまうことも少なくありません。
顎関節症による症状
顎関節症は片方に起こったり、両側に出たとしても症状に左右差があることが多いです。
そのため、顎関節症により身体が歪んでしまい全身に症状が出る場合があります。
肩こり
顎関節症になると咀嚼筋(噛む筋肉)がガチガチに硬くなります。
咀嚼筋はあご周りの筋肉に加え、首にある胸鎖乳突筋などもとても大きく関係します。
つまり咀嚼筋の筋緊張が強くなると、近くにある首や肩の筋肉も緊張してしまいこってしまうのです。
顎関節症は方側に起こることが多いため、顎関節症によっておこる首や肩のこりも両方同じくらいの辛さではなく左右差が出たりします。
頭痛
咀嚼筋の1つに側頭筋という耳の上にある筋肉があります。
試しに、頭の側面で耳の上あたりに指をおき歯を食いしばってみてください。
モコっと膨らむ筋肉を感じられると思います。
それが側頭筋です。
顎関節症になるとこの側頭筋も硬くなり頭痛を引き起こしてしまうのです。
耳鳴り・めまい
顎関節は側頭骨と下顎骨の2つの骨によって作られます。
側頭骨には耳がついており音を聞く聴覚と、バランスなどを司る平衡感覚の感覚器があります。
顎関節症になるとこの聴覚と平衡感覚にも影響を及ぼし耳鳴りやめまいを引き起こすことがあります。
うつ病
顎関節症とうつ病が関係あるの?!と思われた方も少なくないのではないでしょうか。
先ほども述べたように顎関節は側頭骨と下顎骨という頭の骨から作られます。
つまり顎関節症になるということは頭蓋骨に歪みが生じたり、歪んだ顎関節で噛んだりしていると脳にストレスがかかります。
頭蓋骨は中に脳があるため、歪んでしまうと自律神経が乱れたりうつ病になったりと顎関節とうつ病はとても関係性があると言われています。
そのため逆に顎関節症の原因にストレスがあげられるのです。
最後に
いかがでしたか?
顎関節症は実は身体いろんなところに影響を及ぼす恐れがあります。
2人に1人が経験したことあるともいわれる顎関節症ですが、あなたの気になる身体の症状はもしかしたら顎関節症からきているかもしれません。
そして猫背などの姿勢の悪さは顎関節症に大きく関係します。
きちんとあなた自身の顎関節症の病態を調べて治療を行いながら、顎関節症になってしまった原因を明確にして取り除いていくようにしてください。