ふくらはぎは「第二の心臓」と言われています。
それは全身の血流に大きくかかわっているのが心臓とふくらはぎだからです。
しかし現代ではデスクワークや、女性の場合ヒールを履くことによって、ふくらはぎを第二の心臓として使えていない方がとても多くいます。
今回は、そんなふくらはぎを正しく使う方法をご紹介します。
ふくらはぎの役割
ふくらはぎには、腓腹筋やヒラメ筋といった筋肉が存在します。
この筋肉が収縮することで下に降りてきた血液を上に戻すポンプとして働いています。
実は犬や猫、サルにはふくらはぎは存在しません。
なぜなら私たち人間は犬や猫、猿と違い二足歩行だからです。
人間は二足歩行になったことで、重力の関係上、下半身に血液が溜まりやすくなってしまいました。
また、下半身は心臓から離れているので心臓の拍出だけでは重力に抵抗して血液を上に押し上げるほどの力はありません。
そこで必要なのがふくらはぎです。
下半身には常に身体の70%もの血液が集まっています。
ふくらはぎは、それらの血液を心臓に戻す重要なポンプの役割を担ってくれているのです。
ふくらはぎと姿勢
全身の血液循環において重要なふくらはぎですが、実はそのふくらはぎをうまく使えるかどうかは姿勢が大きく関わります。
そもそも姿勢の悪さには骨盤が大きく関係します。
猫背のような背中が丸まっている姿勢でも実は骨盤が歪んでいるのが原因です。
骨盤の歪みについてはこちらの記事をご覧ください。
姿勢が悪いと下半身の血流が悪くなる
姿勢が悪いと筋肉の硬さがところどころに出ます。
その悪い姿勢を補強させるための筋肉がついてしまっているのです。
また上に載せた内容にも詳しく書いてありますが、姿勢が悪くなるということは骨盤が歪んでしまっているということです。
骨盤が歪むと、下半身への血流が悪くなる原因になります。
するとどうなるでしょうか。
下半身はただでさえ重力の影響で血液が滞りやすくなっているうえに、そもそもの血流が悪くなってしまったらより血液を心臓に戻しにくくなってしまいます。
すると、日々の生活で出た足の疲労は取れにくくなり足のむくみなどに繋がります。
また、筋肉を動かすうえでも血液が運んできてくれる酸素が重要ですが、
血流が悪くなるとその酸素もいきわたらないために第二の心臓であるふくらはぎもしっかりと働けなくなってしまうのです。
冷え性はふくらはぎがポイント
最近、冷え症の方がとても増えていますよね。
冷え症の大きな原因の一つとしても血流が悪いという事があげられます。
特にデスクワークや車の運転などで座りっぱなしの姿勢が多かったりすると足を使わないため、ふくらはぎも使う機会があまりありません。
良く歩くという方でもヒールを履いていると常につま先立ちで、ふくらはぎの筋肉は収縮しっぱなしになります。
ふくらはぎのポンプ作用はふくらはぎの筋肉が伸びたり縮んだりすることによって作用します。
ふくらはぎを使う機会がない方はもちろんですが、かかとの高い靴などで常にふくらはぎの筋肉が収縮してしまっている方も、ふくらはぎのポンプ作用が上手く使われていないため血流が悪くなり疲労ばかり溜まってむくみや冷えに繋がります。
また、筋肉は身体の熱産生の4割を担っていると言われているため、筋肉を動かさないと熱が産生されにくくもなってしまうのです。
第二の心臓ふくらはぎを効果的に使うために
では、全身の血流を巡らせるうえで大事な役割を担っているふくらはぎはどうすれば効果的に使えるのでしょうか。
今回は、「カーフレイズ」と「マッサージ」をご紹介します。
カーフレイズとは、ふくらはぎの筋肉、腓腹筋やヒラメ筋を鍛える筋トレです。
カーフレイズ
スタンディングカーフレイズ(立位)
①壁に対して正面に立ち、軽く手をつく
②ゆっくりとつま先立ちになる
③かかとが完全に地面につかないように注意しながらゆっくりと降ろしていきます
10回×3セット
もう少し負荷をかけたいという方は階段などの段差を使って、かかとを浮かせた状態で行うと良いです。
シーテッドカーフレイズ(座位)
①椅子に少し浅く座り、足は肩幅くらいに開きます
②ゆっくりとかかとをあげていき、つま先立ちの状態を作ります
③かかとが完全に地面につかないよう注意しながらゆっくりと降ろしていきます
10回×3セット
こちらの座位でできるシーテッドカーフレイズならデスクワークなどで座りっぱなしの方でも、すきま時間に行なうことができるのでおすすめです。
ふくらはぎのマッサージ
ふくらはぎが硬くなってしまっていたり、冷えている、むくんでいるなどの方に行なっていただきたいマッサージをご紹介します。
①マッサージオイルをふくらはぎ全体に馴染ませ、すねにある骨の位置を確認してください。
②すねにある骨の内側を軽く押しながらゆっくり下から上に持ち上げていきます。
これを5回くりかえします。
③手の人差し指から小指の指先を使い、ふくらはぎの真ん中を裂くようにゆっくり下から上に持ち上げます。
これも5回くりかえします。
マッサージオイルでなくても、お風呂に入って体を洗っている際やボディクリームを塗っている際などすべりやすい状態が行いやすいかと思います。
最後に
いかがでしたか。
第二の心臓と言われているふくらはぎはきちんと使えていたでしょうか。
今回のセルフケアはふくらはぎに対して行うものをご紹介しましたが、もし姿勢が悪いことにより血流の悪さなどが出てしまっていたらふくらはぎの状態は良くなりにくいです。
ふくらはぎをしっかりケアしながら、身体全身の歪みがないかもぜひチェックしてみてくださいね。
美しく正しい姿勢や自分でできるセルフケアに関してはこちらを参考にしてください。