「骨盤がゆがむ」というフレーズを一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。
ゆがむというとガタガタに骨と骨の関節が崩れてしまうのではないかというイメージを持っている方が多いかもしれません。
しかし、骨盤のゆがみで大切なのは前傾しているのか、後傾しているのか。
そしてその傾き具合に左右差があるかどうかです。
今回は、骨盤のゆがみ方を自分でチェックする方法と、セルフケアをご紹介します。
骨盤のゆがみがもたらす身体への影響は?見た目は?
では、骨盤がゆがんでいた場合、どのような影響が出てくるのでしょうか。また、どのような見た目になるのでしょうか。
前傾の場合
- 腰が反る
- お腹がぽっこり出ている
- お尻が後ろにつきでる、大きく見える
- 膝が内を向く(内股)
前傾の方の場合は腰が反るため、常に腰の筋肉がグッと縮こまってしまっているからです。
また、腰が必要以上に反らされるということは、反対にお腹は前に引き伸ばされ、ぽっこりお腹になりやすくなります。
骨盤が前に傾くということは、お尻がつきでるような状態になります。
そして、ここがポイントです。
よく言われる「ヒップアップ」をこの状態と勘違いしている方がとても多いのです。
たしかに、骨盤を無理に前傾させるとその場ではヒップアップしているようにも見えますし、実際にモデルさんのポージングでも腰を反らしている写真などはよくありますよね。
そのせいか、骨盤の前傾こそが姿勢がよく正しい状態だと勘違いしている方がとても多くいらっしゃるのです。
ヒップアップとはお尻がきゅっと引き締まっている状態を指しますよね。
しかし、骨盤が前傾し、お尻がつきでてしまっている場合、お尻の筋肉は引き伸ばされどんどん衰えていってしまい、ヒップアップとはほど遠いお尻になってしまうのです。
また、骨盤が前傾すると、骨の構造により太ももの骨は内を向きがち(内股)になるため、若い方に多いタイプのO脚になりやすくなります。
加えて、内股の場合は足の親指側に体重が乗りやすいため外反母趾になりやすくなってしまうのです。
このようなO脚や外反母趾の場合、原因は骨盤にあるため骨盤を正していかなくては治らないのです。
後傾の場合
- 腰の反りが無くなる
- 下っ腹が出る
- お尻がぺったんこになる、垂れやすくなる
- 膝が外を向く(がに股)、膝が曲がる
骨盤の後傾は、前傾とは反対に腰の筋肉が常に引き伸ばされた状態になっています。
筋肉の痛みというのはグッと縮こまっているときよりも、伸ばされたときの方が出やすいです。
また、腰というのは軽く反っていいる状態が正常です。
軽く反っていることによりバネの役割として、荷物を持ったり歩くなどの日常生活にかかる衝撃を吸収し負担を軽くしてくれています。
しかし、骨盤が後傾してしまうとその反りが無くなってしまいます。
すると、通常であればなんてことない衝撃も大きな負担となって身体にかかってしまうのです。
そして骨盤が後傾していると腹筋やお尻の筋肉が弱くなります。
すると、より骨盤をしっかり立たせた状態を保つのが難しくなり、どんどん後傾が強くなってしまうことも。
運動がだんだんと減り、筋肉が衰えてくると後傾しやすくなるのでご高齢の方に多く見られます。
また、こちらも前傾とは反対に太ももの骨が外を向きがち(がに股)になります。
極端にがに股にして膝を曲げてみてください。
両膝は離れてしまっていませんか?
こちらもまた高齢の方に多いタイプのO脚です。
あなたはどっち?骨盤前傾と後傾のチェック方法
ではさっそく、アナタの骨盤はいまどのように歪んでいるかをチェックしましょう。
① まず、腰骨に手を当て前にスライドします。
腰骨が終わるところに少しポコッとした骨を感じることができると思います。
これは上前腸骨棘(じょうぜんちょうこつきょく)といい、前傾か後傾かチェックするうえで大切なポイントになります。
② 次に、腰骨に手を当て後ろにスライドします。
前よりは少しわかりにくいですが、腰骨をたどっていくとこちらにもまたポコッとした骨が感じられます。
これは上後腸骨棘(じょうごちょうこつきょく)といいます。
③ ①・②で見つけた上前腸骨棘と上後腸骨棘に手をあて、鏡を見てみてください。
④ 上前腸骨棘と上後腸骨棘を繋いだ線が床と平行になっていれば正常です。
このように前に傾いてしまっていたら前傾です。
このように後ろに傾いてしまっていたら後傾です。
骨盤のゆがみを整えるストレッチ
では、前傾タイプ、後傾タイプそれぞれの自宅でできる簡単セルフケアをご紹介します。
前傾の場合
前傾の場合は、このように太ももの前側にある大腿四頭筋(だいたいしとうきん)と、腰にある脊柱起立筋(せきちゅうきりつきん)や腰方形筋(ようほうけいきん)が硬くなりやすいので伸ばしていきましょう。
大腿四頭筋
①壁に左手を当てます。
②右ひざを折り曲げ、右手で支えます。
*このとき両ひざが離れてしまうとストレッチされる場所が変わってしまうのでご注意ください。
③もし②の段階で前ももが伸びていなければ、こぶし1つ分後ろに引いくとストレッチ感が増します。
*腰は反らせず、股関節から引くようにしてください。
脊柱起立筋・腰方形筋
①仰向けで寝ます。
②身体をひねり、右足を身体の左側に持っていきます。
*このとき右肩が床から離れないよう注意してください。
後傾の場合
後傾の場合は太ももの裏にあるハムストリングスと、お腹にある腹直筋が硬くなりやすいので伸ばしていきましょう。
ハムストリングス
①右足は曲げて外に倒し、左足はまっすぐ伸ばし爪先を真上に向けて座ります。
②伸ばした左足の爪先に向かって、股関節から身体を倒します。
*腰から丸めた方が遠くに手が届きますが、このように腰を丸めないようにしてください。
*もし難しければ膝を左ひざを少し曲げて、股関節から身体を倒してください。
腹直筋(腰に痛みが出るようであれば中止してください)
①うつ伏せで寝て、手を床につけます。
②腕をのばし、上半身をゆっくり持ち上げていきましょう。
*辛ければ肘をつき、上半身を持ち上げてください。
まとめ
いかがでしたか。
男女問わず慢性的な腰痛がある方や、女性の出産を経験したことある方は、骨盤がゆがんでいる可能性が大きいです。
ぜひ、自分の骨盤はどのようにゆがんでいるのかをチェックして、ゆがみに合ったセルフケアを行なって下さい。