反り腰からくる腰痛。その改善方法とは?

「私、反り腰なんです。」

当院に来院する患者様の中には、ご自身の反り腰を自覚している方が多くいらっしゃいます。

しかし、反り腰によってなぜ腰痛が引き起こされてしまうのか・反り腰により身体はどのような状態になってしまっているのかを理解しきれていない方がほとんどではないでしょうか。

今回は、この『反り腰』についてご紹介します!

 

 

反り腰と骨盤

簡単にご説明すると反り腰は「腰が反ってしまっている状態」を指します。

言葉の通りですよね。

しかし、反り腰は骨盤の歪みからくることが多いのはご存知ですか?

反り腰の方の場合、骨盤が前傾してしまっていることがほとんどなのです。

骨盤が前傾している状態とは

骨盤は、このように床と平行になっている状態が理想です。

 

それがもし骨盤が前傾してしまうとこのようになります。

床に対して骨盤が前にかたむいてしまっているのがわかると思います。

正常な骨盤と比べて腰も反ってしまっていますよね。

腰が反るということは腰にある脊柱起立筋や、脊椎(背骨)を支える回旋筋・多裂筋などの筋肉を強く収縮させてしまっているということ。

筋肉が縮こまりガチガチに固まることで腰痛が誘発されてしまうのです。

骨盤の正しい位置を理解する

一つ、私が患者様との会話で不思議だと思った話をします。

「あなたの腰痛は反り腰からきているものだと思われます」

反り腰が原因で腰痛が出ている方にそう伝えると、なるほどとすぐに納得してくれます。

しかし、骨盤の位置を正すと

「え?骨盤ってこの位置なの?」と驚かれるのです。

患者様の多くの方がお尻を突き出すような前傾した状態を『骨盤の正しい位置』と間違った認識をしているようです。

反り腰が身体にとってよくない状態であることは理解しているのに、その反り腰になってしまう骨盤の前傾を意識して生活している・・・

そう考えると違和感を覚えませんか?

 

 

反り腰の原因

ヒール

女性の方で、仕事やプライベートでヒールを履くという方はたくさんいらっしゃると思います。

ヒールを履く方は自然と体重をつま先で受け止めるつま先重心になりがちです。

つま先重心に多いのが骨盤前傾タイプ

ほとんどの方が前傾しています。

きちんと骨盤が正しい位置にある方はつま先では無くかかとに重心がかかります。

ヒールを履く方に限らず自然に立った時につま先に体重がかかっている方は要注意です。

 

 

妊娠

妊娠をするとお腹が大きくなりますよね。

その大きくなったお腹の重さに耐えられずお腹を突き出し腰を反らせ、骨盤が前傾してしまうといったケースも多く見受けられます。

その状態を数カ月続け、出産後は抱っこによって同じような状態を取ることになります。

抱っこひもを付けていると腰が痛くなる。そんな経験のあるママさんも多いのではないでしょうか。

 

 

筋力不足

体幹を安定させ、姿勢を維持するためのインナーマッスル。

このインナーマッスルが弱い方は骨盤を良い位置でキープできないため反り腰になりやすい傾向にあります。

また、お尻にある中殿筋も骨盤を安定させるのにとても重要な筋肉です。

中殿筋が弱い方は歩いた時に少しお尻を振るような歩き方になるので注意が必要です。

 

 

競技特性

アスリートや運動をされる方でも骨盤が前傾し腰が反ってしまっている方がよくいらっしゃいます。

例えばサッカーやバスケット、バレー、テニス、バドミントンなどの競技は、つま先重心でかかとを少し浮かしてどんな状況でもすぐ動けるように準備している場面が多くありますよね。

この姿勢もときには反り腰に繋がってしまうのです。

また、スポーツにおいては決まったフットワークやフォームがあったりしますよね。

同じ動作を繰り返し行うことで生まれるのが『左右のねじれ』です。

 

スポーツと姿勢の関連性については下記の記事をご覧ください。

[肩の左右差がでやすいスポーツ。原因と影響、対策法は?]

[姿勢が及ぼすスポーツへの影響①]

[姿勢が及ぼすスポーツへの影響②]

 

 

対策法

反り腰による腰痛でおこなって頂きたいストレッチをご紹介します。

先程説明した通り、反り腰は骨盤の前傾をともなうタイプがほとんどです。

骨盤が前傾すると腸腰筋や前ももの大腿四頭筋が硬くなってることが多いです。

今回は腸腰筋と大腿四頭筋のストレッチをご紹介します。

 

大腿四頭筋(前もも)のストレッチ

①まっすぐ立ちます。

 

②左手を壁について身体を支えながら右手で右足の足首を持ちます。

 

③腰は反らせないように膝をこぶし1つ分後ろに引きましょう。

 

*膝が外に開くとストレッチが効きにくくなるので注意してください。

 

 

腸腰筋のストレッチ

①まっすぐ立ちます。

 

②右足を大きく1歩前に出します。

 *膝に負担をかけないために右足の膝が足首より前に出ないようにして下さい。

 *骨盤が外に逃げないよう正面をむかせましょう。

 *膝が内側に入りやすくなりますが正面をむかせます。

 

③可能であれば右手を上にあげ、身体を左に傾けてみて下さい。

 

 

最後に

いかがでしたか?

反り腰が骨盤と大きく関わっているということはご理解いただけましたか?

反り腰は筋肉が固まりやすいため、その筋肉を緩めれば一時的に腰痛を軽減させられます。

しかし、元々の原因が反り腰や骨盤の歪みであるならば、痛みがなくなるのはあくまで一時的なもの。

根本的な原因を解決できなければ痛みは再度でてきてしまいます。

「あなたの腰痛は一体なにが原因で起こっているものなのか」

そこをしっかりと見極め治療を行ってくれる治療院を探してくださいね!